食物アレルギーの治療法

■アレルギー治療の基本
食物アレルギー治療の基本は、除去食療法により症状を出ないようにすることです。
問診や食物傾向負荷試験などによる正しい診断のもと、必要最小限度の食物除去を行います。アレルゲンが加工食品などに含まれている場合もあるため、食品に記載されている表示等を確認しながら行わなければなりません。また外食の場合は表示されていないこともあるため、お店の人に直接聞いて確認し、除去可能であれば対応してもらうなどしましょう。
また食物除去を行う場合には、除去した食物の代用食品を摂取することで栄養の偏りを防ぎます。 薬物療法としては、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬などの補助的な治療として用いられてい ます。
乳幼児などは耐性を獲得しやすいため、半年から1年に1度は再度検査等を行い、除去食解除の検討も行っていきましょう。
乳幼児期に発症した食物アレルギーの約90%は耐性を獲得し、小学校入学前後までには自然に寛解へと向かっていきますが、成人になっても症状が治まらないこともあります。

■即時型アレルギー反応に対する治療
かゆみや発赤、じんま疹などの皮膚症状や、吐き気や下痢、腹痛などの消化器症状で留まる場合の多くは、経過観察や抗ヒスタミン薬の投与で症状が落ち着く事が多いのですが、喘鳴や咳、気管支喘息などの呼吸器症状を起こした場合、血圧低下や意識障害などショック症状に陥る可能性があるため、なるべく早く的確な処置、医療機関の緊急受診を行う必要があります。

■経口免疫(経口減感作)療法
食物アレルギーには根本的な治療方法はなく、アレルゲンから遠ざけながら定期的に検査や試験を行い、食べられるようになったかの確認を行っています。しかし近年、世界的に経口免疫(経口減感作)療法の効果が確認され始めています。
これは専門の医師による管理・指導のもと、毎日少しづつアレルゲンを摂取することで、耐性を獲得し原因食物を食べてもアレルギー反応が起こらなくなるというものです。
しかしアナフィラキシーなどの重篤な症状が出てしまう恐れもあり、専門家が適性があるかどうかの
判断をし、適切な方法で管理・指導のもとに行わなければなりません。現段階では研究段階ですが、今後はアレルギー疾患の根治に役立つと期待されています。

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