お口の中に次から次へ発生する炎症、なかなか治らない口内炎…。ちょっと疲れていればよくあることにも思えますが、がんのニュースを目にしたりすると「自分ももしかして口腔がんなのでは…?」と心配になってしまう方もいらっしゃるかもしれません。頻繁にできる・なかなか治らない口内炎が不安になったら、ぜひ一読してみてください。
口内炎の原因にはどんなものがある?
口内炎の原因はさまざまです。私たちが日常で多く経験する口内炎をいくつかご紹介します。
●ストレスや疲れが原因で起こる
「アフタ性口内炎」
最も多い口内炎です。過度なストレスや睡眠不足、栄養の偏りなどでも起こるといわれています。対策としては、ビタミンB2が欠乏しないように気を付けてください。長びいても、普通は2週間くらいで治ります。
●カンジタなどのウイルスで起こる「ウイルス性口内炎」
免疫力の低下により、体内に潜伏しているカンジタ菌が増殖して発症します。唾液などの飛沫感染や接触感染による性感染症でも、ウイルス性の口内炎ができます。
●口の中を噛むなど物理的要因の「カタル性口内炎」
口の内側を噛んでしまったり、入れ歯などで傷つけてしまったり、なんらかの刺激が原因で細菌が繁殖して腫れ、水疱状の口内炎を発症します。粘膜分泌を起こすタイプの口内炎です。
●食物・金属・喫煙などによる「アレルギー性口内炎」
歯の詰め物などに使われている金属や、タバコに含まれるニコチン、アレルギー反応がでる食べ物などによって発症する口内炎です。
口腔がんを疑う症状とは
口内炎は多くの場合、発症してからおよそ2週間で治ります。一方で、治りづらい口内炎がすべて口腔がんというわけではありません。
硬いしこりがあったり、赤い斑点や白い斑点があったりしませんか?お口が開閉しづらかったり、舌がしびれたりといった症状にも注意しましょう。2週間以上治らない口内炎で症状に不安を覚える場合には、ご相談ください。
口腔がんの予防
口腔がんを発症するのは、何が原因なのでしょうか?はっきりとした原因はわかっていませんが、喫煙や飲酒の影響が大きいと考えられています。アルコールを分解する酵素が少ない人が大量に飲酒するのは、特に危険です。入れ歯や矯正器具などでお口の中の粘膜を痛めてしまうのも、お口の環境を悪化させますので注意してください。
口腔がんは、早期に発見できれば生存率が高いがんであるという調査報告もあります。早期発見のために、年に1回は口腔がん検診を受診しましょう。
当院でも口腔がん検診を実施しています。ご興味のある方は、こちらのページをご覧ください。