口臭・虫歯を予防できる?乳酸菌のすごいはたらき

お口の中にいる「口腔内フローラ」って?

口

お口の中には様々な種類の細菌が住んでいて、それぞれがコロニーを形成し集団で生活しています。その種類は約300~400種、数にすると60億以上にもなります。無数のコロニーが共存している様子を顕微鏡で見るとお花畑(=flora、フローラ)に似ているため、口腔内フローラと呼ばれています。日本語では口腔内細菌叢です。

60億以上の細菌を大まかに分けると、善玉菌、悪玉菌、日和見菌(ひよりみきん)の3つに分けることができます。3つの菌はお口の中で「善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7」のバランスを保ちながら共存しており、悪玉菌をゼロにすれば良いという訳ではありません。

口臭と細菌、乳酸菌の関係

口臭

口臭の原因の90%以上は口腔内にあると言われています。そして、口腔内が原因の口臭の80%以上は歯周病によるものです。なぜ歯周病にかかると口臭になってしまうのでしょうか。

口臭の原因は歯周病菌の代表、ジンジバリス菌です。口腔内フローラでは悪玉菌に分類されます。

ジンジバリス菌は口内の糖分やタンパク質をエサに増殖します。そして、その活動の中で強い口臭のもととなるメチルメルカプタンやインドール、スカトールという臭気物質を生産するのです。ちなみに、メチルメルカプタンは腐った玉ネギのような臭い、インドールとスカトールは糞尿のような臭いがします。

ジンジバリス菌はエサが豊富にあり、空気に触れない場所を好むため、歯垢を住処としています。

ですので、歯周病による口臭の予防には歯磨きで歯垢を落とすことが大切です。

細菌のおかげで口臭予防!?

ヨーグルト

実は今、歯磨き以外で口臭を予防する方法について研究が進んでいます。

その研究は、口臭の原因が細菌ならば、別の細菌を使い、細菌同士で口臭を軽減することができないか、というものです。

そして、口臭を軽減できるかもしれないとされている菌が、乳酸菌です。

ある研究では、一部の乳酸菌が歯周病菌より早いスピードで増殖し、歯周病菌をやっつけるのではないかと有望視されています。

近い将来、乳酸菌で口臭予防ができるようになるのかもしれませんね。

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