急激な高齢化がすすむわが国において、この変化に対応できない方々、とくに健康を害し,看護や介護を受けている方にとって日々の生活、将来の人生設計についての計り知れないものがあります。
最近の報告によりますと、これらの方々の口腔環境は非常に厳しく、深刻な問題を抱えているといわれています。そしてこの口腔環境に起因する歯周病等の感染症が、全身に深刻な影響を与えていることが医学論文等により明らかになっております。つまり、虚弱な方にとって、口腔の感染症は生死を分ける一大時といっても過言ではありません。しかしながらこのことの重要性が専門職はもとより、一般国民には十分知られていません。
口腔は生きる活力を生み出す器官であると同時に感染症の原因ともなっていることを踏まえ、小児からはじまり要介護高齢者にいたるまで口腔感染予防を啓発することは、国民の保健、医療、福祉の向上にとって極めて重要なことです。問題はいかに安全かつ効果的に口腔感染症予防を確立するかです。
本研究会設立の理念であり目的は口腔感染症予防を基礎医学的、臨床医学的、社会学的に研究し、この成果を多職種(看護士、歯科衛生士、医師、歯科医師等)で共有し、実践していくことです。
まさに口腔は生きる意欲を引き出す場所です。我々の願いは、口腔を通して日本と日本人を元気にすることです。本会を構成する会員は協力し合い、”一隅を照らす”思いで、社会貢献するという共通の志を持って頂きたいと思います。そして若い同僚を育てていくことです。 (POIC研究会会長 米山武義氏による研究会設立趣旨)
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