プラセンタ

 近年プラセンタは、美容面だけではなく医療面でもプラセンタエキスに対する注目度が高まってきています。
 プラセンタの歴史は、紀元前から古代ギリシャの医師ヒポクラテスは患者の治療に、エジプトの女王クレオパトラは美容に利用したといわれます。
 『プラセンタ』とは『胎盤』のことです。プラセンタは胎児を守り、育てるために妊娠中につくられる一時的な臓器で、出産によりその役目」を終えると体外に排出されてしまいます。
 プラセンタは胎児と臍の緒(臍帯)でつながりその中を血管が走り胎児と母親を結んでいます。そして、妊娠の期間中、胎児に必要な酸素や栄養素の供給を仲立ちし、まだ発展途中の胎児の内臓に代わって消化や排泄をしたりします。また、ホルモン分泌を行なったり,病気にかかりにくくするための免疫を与えるなど、胎児がおなかの中で健やかに成長するために、実にさまざま働きを担っています。
* 呼吸作用(肺の機能)
* 代謝・解毒作用(肝臓の機能)
* 排泄作用(腎臓の機能)
* 内分泌作用(脳下垂体・卵巣の機能)
* 免疫作用(脾臓の機能)
* 消化作用(小腸の機能)
プラセンタが『万能の臓器』と呼ばれる所以です。
西洋医学的な使用法の開発
 紀元前からヒポクラテスやまた中国や韓国の文献にも登場し、日本では中国から生薬として伝わり、江戸時代には加賀の三大秘薬の一つに数えられました。このように長い間、漢方薬的な使われ方をしてきたプラセンタを、最初に西洋医学的な療法に使用したのは、旧ソ連オデッサ医科大学のV・P・フィラ–トフ博士(1875年〜1956年)でした。博士は1930年代に埋没療法(組織療法)を開発し、この療法にプラセンタを用いたのです。
 埋没療法とは、冷蔵保存した健康な組織(皮膚やプラセンタなど)を皮下に埋め込む療法のことです。日本ではプラセンタの埋没療法は第二次世界大戦後に取り入れられ、その効果の多様性や持続性が高く評価されて治療法として発展しました。しかし、安全性の確保や施術の習熟などといった面で高い難度が要求されるため、現在では実施例は非常に限られています。
 これとは別に、日本人の独自の研究によるプラセンタの内服剤も戦後誕生し、現在に至っています。1950年代に入るとより安全で簡単な治療が可能なプラセンタ抽出エキス由来の注射剤が開発され、1970年代には化粧品、1980年後半にはサプリメントなどへのプラセンタエキスの応用が活発化しました。
              漢方専門医 日本胎盤臨床研究会理事長 長瀬眞彦 著
            『更年期障害、疼痛、美容などにプラセンタ療法』より抜粋
            
              

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