プロバイオティクスとは
プロバイオティクスとは、「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に好影響を与える生きた微生物」のことです。1989年、Fullerにより定義されました。
アンチバイオティクス(=抗生物質)という言葉に対して提案され、プロバイオシス(=共生)という言葉が語源となっています。
「健康に好影響を与える」とありますが、具体的には以下のような有益な効果が報告されています。
- 便秘、下痢症の改善
- 乳糖不耐症の改善効果
- 動脈硬化の予防効果
- 免疫機能を改善することによる感染防御・アレルギー抑制効果
- 抗腫瘍作用
細菌が虫歯予防に役立つって本当?
「プロバイオティクス」という言葉の他に、「腸内フローラ」や「菌活」という言葉が多く聞かれるようになり、微生物を用いた健康管理に注目が集まっています。
腸内フローラは腸内細菌の集まりのことですが、お口の中にも「口内フローラ」と呼ばれる細菌の集まりがあることをご存じでしょうか?
口内フローラには大きく分けて、善玉菌、悪玉菌、日和見菌(ひよりみきん)の3種類があります。
悪玉菌がすべていなくなって善玉菌だけになれば良い、ということではなく3つの菌のバランスが大切です。口内フローラは「善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7」のバランスで保たれています。
悪玉菌の代表は、身近な歯の病気、虫歯のミュータンス菌や歯周病菌です。
ミュータンス菌はエサになる糖分と空気に触れない場所が大好きです。糖分があって空気に触れない場所、お口の中では歯垢が住み心地の良い場所となります。
一方、歯周病菌は主にアミノ酸を栄養源にしている菌で、歯と歯肉のあいだの歯周ポケットの間に潜んで増殖していきます。
虫歯菌の住処である歯垢や歯周病菌を落とすために歯磨きをしているのです。
歯磨きの他に悪玉菌をやっつけるはたらきをしているのが善玉菌です。
善玉菌である乳酸菌は唾液にも含まれています。乳酸菌がどれくらい虫歯菌をやっつけているのかはまだわかっていませんが、今後、新しい虫歯予防の方法として研究が進められています。
将来、乳酸菌パワーで虫歯予防をする日が来るかもしれません。
それまでは毎食後に歯垢を落とす歯磨きで虫歯予防をしましょうね。