食物アレルギーの類型、種類

食物アレルギーとは、食べたものが原因となり本来なら無害とされるものに、過剰な免疫反応が起こってしまい、じんま疹や湿疹、下痢、咳などの症状が出てくることをいいます。

■即時型と遅延型
食物アレルギーは大きく分けると「即時型」と「遅延型」に分けられます。
多いのは食物を摂取後15から20分ほどで発赤や膨疹が出来る「即時型アレルギー」です。免疫グロブリンE(IgE)という体内にあるタンパク質の介入で起こるものです。
もうひとつは、食物を摂取してから数時間から数日後に湿疹、かゆみなどの皮膚症状が起こる「遅延型アレルギー」です。遅延型アレルギーの詳細なメカニズムはまだ解明されていませんが、リンパ球であるT細胞が関与していると考えられています。

■小児型と成人型
食物アレルギーの多くは、乳児期に発症し年齢とともに寛解へ向かっていきます。1歳前後で発症すぶ場合が最も多く、卵、牛乳、小麦、大豆が主なアレルゲンです。小児型の特徴は、アレルギーと診断されても約90%の人が年齢とともに耐性を獲得し、小学校入学前後までに自然に良くなっていくケースが多いところです。
成人型食物アレルギーのアレルゲンは、魚、エビ、カニ、果物などが多く、発症後の耐性獲得は少ないと考えられています。
小児型と成人型の間に位置するのがゴマ、そば、ピーナッツなどで、これもまた耐性の獲得はされにくいと考えられています。

■アナフィラキシー
即時型アレルギーの中で最も症状が重いタイプは、アナフィラキシーという命に関わる危険な症状を起こすものです。
じんま疹や発赤などの皮膚症状、咳や気管支喘息発作、喘鳴などの呼吸器症状、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状に続き、血圧低下や意識消失など全身性のショック症状を起こす事もあります。

■ 口腔アレルギー症候群 近年増えてきているのが果物(キウイ、モモ、パイナップル、メロン、リンゴなど)や野菜を原因とし、多くは口腔内の症状のみ起こる「口腔アレルギー症候群」です。しかし中にはショック症状を起こす事もあり注意が必要です。成人女性に多いとされていますが、幼児・学童にも発症し、欧米では以前からシラカバ花粉が要因と指摘されており、花粉症との関連性が考えられています。

■食物依存性運動誘発性アナフィラキシー ごくまれに発症するものですが、ある特定の食物を摂取した後に運動を行う事で、じんま疹や咽頭浮腫、喘鳴などを伴いショック症状を誘発する「食物依存性運動誘発性アナフィラキシー」という疾患があります。 アレルゲンとして小麦、魚介類などが多いとされています。てんかん発作と間違われてしまう場合もあるため注意が必要です。

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