栄養たっぷりの野菜といえば、緑黄色野菜。なかでも「小松菜」が優秀です。
ただし、「これだけ食べておけばいい」という万能な野菜はありません。栄養素は単独で働くのではなく、それぞれがサポートしあって、効果を発揮するものです。
人間の身体に必要な栄養素は約50種類で、ひとつでも欠けると十分な働きができなくなります。
それを踏まえた上で、比較的バランスよく栄養が摂れる野菜について紹介します。
鉄分ホウレン草の1.5倍!実は優秀な野菜「小松菜」
小松菜は野菜のなかでも鉄分やカルシウムの含有量がトップクラス。一般的には、ホウレン草に鉄分などの栄養が豊富なイメージがありますね。
もちろん、ホウレン草もオススメしたい緑黄色野菜のひとつですが、「栄養価が高い方はどちらか?」という話になると断然、小松菜でしょう。
小松菜に含まれる鉄分はホウレン草の約1.5倍。カルシウムは約3.5倍も含まれているのです。血中のヘモグロビンをつくる鉄は貧血にも効果的なので、貧血の対策には小松菜を食べるとよいでしょう。
アンチエイジングや美肌効果バツグンの「小松菜」
小松菜はβカロテン(ビタミンA)、ビタミンC、カリウムも豊富です。これらは人間の体内の錆び付き、老化の原因である活性酸素に対抗する免疫力「抗酸化作用」をアップさせる効果があります。
美肌やアンチエイジングに対する効果はもちろん、動脈硬化や癌を予防する働きにも期待できます。
小松菜の旬は冬。最近は、ホウレン草などとともにハウス栽培で一年中手に入れることができますが、冬の小松菜は寒さなどのストレスに耐える力を自力で育むため、含まれるビタミンCやβカロテン、糖分などの栄養素が増えるのです。
そのため、冬の小松菜は食べると甘さを多く感じることができ、おいしさがよりいっそう増します。
サッと油で炒める調理法で「小松菜」の潜在能力アップ
小松菜に含まれるビタミン、カルシウム、鉄分は水溶性です。そのため、茹でるとお湯に溶け出してしまう特徴があります。
オススメの調理法は油でサッと炒める方法です。小松菜には油脂性のビタミンが含まれているので、油との相性は抜群。サッと炒めることで、ビタミンAの吸収率がアップします。
ビタミンAには、皮膚や粘膜(目の角膜や、口、鼻、喉、胃腸、肺、気管支、膀胱、子宮などの粘膜)を健やかに保ったり、視力の維持や色の見え方など目の健康を維持したり、細菌やウイルスが体内に侵入するのを防ぐバリア機能があります。
茹でる場合は短時間の調理を心がけるか、もしくはスープや鍋物にして、茹で汁ごと食べるとよいでしょう。
ブロッコリーやホウレン草などの緑黄色野菜がオススメ
小松菜に続いてバランスよく栄養を得ることができる野菜といえば、ホウレン草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜です。ブロッコリーは機能性・栄養面ともに充実した野菜です。
注目成分として挙げられるのは、緑の色素成分であるクロロフィルが豊富であること。クロロフィルは血液循環を改善し、血栓や動脈硬化の予防にも効果的です。
ブロッコリーはアブラナ科ですが、アブラナ科特有の成分であるイソチオシアネートには、癌予防やアンチエイジングの効果も。
さらにビタミンCはホウレン草の約3.4倍、アリシンが含まれるにんにくなどと炒めると、代謝促進・疲労回復の効果が期待できます。
夏の健康野菜のエースは「真っ赤なトマト」
緑黄色野菜は冬が旬のものが多くなっていますが、夏の野菜なら、トマト、ピーマン、パプリカ、オクラなどがいいでしょう。
なかでもトマトは「健康野菜のエース」と呼ばれるほどで、真っ赤に熟した赤色がキレイなほど、栄養価が高くなります。
トマトの赤色は色素成分・赤色フィトケミカルのリコピンです。リコピンには、強力な抗酸化作用があります。高いアンチエイジング効果や生活習慣病の予防効果が期待できます。
リコピンにはβカロテンの2倍、ビタミンEの100倍もの抗酸化作用があるというから驚きです。ビタミンCやカロテン、カリウムにより美肌づくりにも効果的。疲労物質の乳酸を取り除くクエン酸も多量に含まれるので、疲労回復効果も大きいでしょう。
夏の食事メニューには、ぜひトマトを取り入れてみてください。
まとめ
野菜は調理法によって栄養価を高められることがポイントです。
小松菜もトマトも、油と相性のいいビタミンが豊富なので、サッと炒める、ドレッシングを掛けるなど、工夫して食べるといいでしょう。