高齢者の健康と口腔ケアの深い関係

 歯と口の健康が全身の健康に深く関わってることは、歯周病と糖尿病の関係をはじめとして、さまざまな疫学調査で明らかになっている。高齢者の生活に与える影響についても、多くの科学的論証があり、多様なメッリットが指摘されている。そのため、高齢者の介護予防において、[口腔ケア]が重要な手段となっている。
 口腔ケアとは、狭い意味では口の中をきれいにすることで、歯や歯茎、口腔の粘膜、舌等を清掃して衛生状態の維持・向上を目指すことをいう。一方、広い意味の口腔ケアは、口腔周囲の筋肉や表情筋の刺激などによる口腔機能の維持・向上を目的とする。これによって食欲が日引き出されたり、話す意欲が増したり、摂食・嚥下機能改善されたりという効果が期待できる。
 口腔衛生と口腔機能の両方が整わなければ、食事を味わい、満足することはできない。食事がおいしく感じられるようになれば食欲が増し、体力も増加する。さらに、口腔機能の向上によって周りの人とのコミュニケ−ションが活発になったり、話す意欲が増たりすることで、高齢者のQOL(生活の質)を高めることができるだろう。
 口腔機能を向上させるメリット
1 食べる楽しみを得ることから、生活意欲の高揚がはかれる。
2 会話、笑顔がはずみ、社会参加が継続する。
3 自立した生活と日常生活動作の維持、向上がはかれる。
4 低栄養、脱水を予防する。
5 誤嚥、肺炎、窒息の予防をする。
6 口腔内の崩壊(むし歯、歯周病、義歯不適合)を予防する。
7 経口摂取の質と量が高まる。
                     健康づくり 2012.6 より    

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